「踊り子クリノッペ」とは現在のGREE躍進を支える片腕であり(もう片腕は釣り★スタだ)、多くの人(特に女性)を虜にする集金マシーンである。
かくいう私もクリノッペには多くのゴールドを費やしてきた。今日は私の経験から、クリノッペを知らない人にクリノッペのすごさを時系列にそって解説していきます。
長いのでまず結論から
クリノッペがすごい理由は、利用者にゴールド(仮想通貨)を支払わせる機会を多く提供しているから。ここから時系列に沿って詳しく見ていきます。
GREE入会する
GREEに入会するとアバターが与えられる。最初は以下のようにぼさぼさヘア、くたくたの肌着というみすぼらしい姿をしている。この自己愛を写す「分身」たるアバターに、アイテム(服など)を買い与えようとする動機は、大抵の場合他ユーザーとコミュニケーションした時に、相手のアバターと比較することで生じる。だから、SNS運営側はユーザー(のアバター)間の接点を多くしようとする。
しかし、何でこいつが私の分身なんだよ、っけ!
と思っていたので、私のアバターはデフォルトのままでした。
クリノッペ飼い始める
さて、クリノッペ。GREEに入会すると、クリノッペは無料で貰える。
だから一応貰えるものは貰っておこうとクリノッペを飼い始めたのだが、最初はさしたる興味もなかった。
あー、はいはい、クリノッペ、かわいいかわいい。でもうさぎの方がかわいいんだからね!と思っていた。
かわいいうさぎ
クリノッペはまり始める
1ヶ月程経って、もう一度クリノッペの部屋に入ってみた。
すると、驚いた。
なんとあのつるつるの黄色いお肌をしたクリノッペは、ミイラになってしまっていたのだった。
ああ、クリノッペ!私が世話をしないばっかりに、こんな醜い姿になってしまった!
私は慌てて涙ながらに、出来る限りの世話をした。
すると、何度も風呂に入れることで不気味な緑色の固い膜のような物体はクリノッペの体から剥がれ、
このような状態に、
まだ酷い状態ではあるが、ちゃんとクリノッペと分かる姿に戻ったのだった。
ああ、私があんなに放置していたのに、ちゃんと元通りになるなんて、偉いクリノッペ! クリノッペちゃん、ありがとう!
それからというもの、私はクリノッペにゴールドを払って世話をするようになった。
ゴールドを多く払えばそれだけクリノッペは大きな反応を示すのだ。
ここにゴールドを落とさせるように各種、温泉の素や高級な食事が用意されている。
解説
アバターにアイテムを買い与えさせるのに必要なのは他ユーザーとのコミュニケーションと先ほど述べたが、この場合には他ユーザーは一切関係ない。利用者はクリノッペとのコミュニケーションを求めているので、「利用者―クリノッペ」間のコミュニケーションを多く与えればいい。
その点、利用者のアクションに対してクリノッペは多種多様なリアクションを示す優秀なペットだ。
更に、ここで強調しておきたいのは、利用者が「何もしない」ということに対してもクリノッペはきちんと反応しているということだ。
「何もしない」というアクションに対してクリノッペは「ミイラになる」というリアクションを返している。
利用者が求めているのは、きちんと反応を返してくれるペット・ボットなのだ。
クリノッペは上のように、運動させすぎると具合が悪くなり、食べ過ぎると太る。
ダンス教室に通わせる
次に私は、クリノッペをダンス教室に通わせるようになった。ダンス教室では、素人のクリノッペは踊りが下手糞でボタンを押しても碌な踊りをしない。何が「踊り子クリノッペ」だお前!全然踊れないじゃないか!
しかし全然踊れない「踊り子」というのもかわいいものではないか。
踊りの下手な踊り子クリノッペを不憫に思った私はこれ以降、常に携帯電話の画面にクリノッペの部屋を表示し、暇さえあればクリノッペをダンス教室に通わせるようになった。もの凄い滞在時間だ。
一体どうしてそんなに熱心にダンス教室に通わせるのかと思われるでしょうか?
どんどんうまくなっていくクリノッペを見ていたかったからだ
これに尽きる。クリノッペは実際、ダンス教室に通えば通うほどに踊れるダンスの種類が増えていく。
そして私のクリノッペはフラダンス初級に合格した!今はベリーダンス初級教室に通っている!
解説
クリノッペと利用者間のコミュニケーションの、最大の仕組みはこの「ダンス教室」だ。利用者がアクションを起こせば、クリノッペは期待通りにダンス上達というリアクションを示してくれる。
ここで強調しておきたいのは、コミュニケーションといってもクリノッペは決して一言も発しないという点だ。
コミュニケーションというとまず会話が浮かぶけれども、利用者とクリノッペは決して会話はしない。
会話以外のコミュニケーション(変なダンスの動きと細かな状態変化)が豊かなら会話は必要ないのだ。
ご褒美消費する
ダンス教室で日々のレッスンの末にダンスを習得し、こちらのアクションにきちんとリアクションを返すクリノッペに感謝の念が芽生えていた。そこで私はクリノッペにささやかながら氷の髪飾りのようなかわいいアクセサリーを買い与えた。
解説
解説するまでもない。クリノッペと利用者の密なコミュニケーションからアイテムの購入動機が生まれるのだ。他クリノッペと交流する
他のユーザーのクリノッペとの交流を促す仕組みに「つっつき」というものがある。足跡機能のようなものだ。他のクリノッペのつっつきボタンを押すと、そのユーザーの「つつかれ帳」にクリノッペの姿が記載される。
これを見て、大抵のクリノッペがオシャレな姿をしているのに驚いた。
対して私のクリノッペは、頭にちょこんと氷が乗っているだけ。
私のクリノッペにも他のクリノッペと同じようにオシャレをさせてあげたい!
ということで、私はさらにクリノッペショップへと向かうのだった。
解説
他ユーザーとの交流と比較がアバターのアイテム購入の動機となったように、他クリノッペとの交流と比較がクリノッペのアイテム購入の動機となる。
ここで強調しておきたいのは、他ユーザーとの交流に比べて、他クリノッペとの交流は簡単なものであるということだ。
「つっつく」だけで、名前だけでなく姿が相手の「つつかれ帳」に記載される。
はてなスターだのFavotterだのの簡単なコミュニケーションに慣れた私には、他ユーザーとの「会話」は面倒だ。
その点、この「つっつき」は簡単にコミュニケーションが取れるので、ミニメだの日記にコメントだのという面倒な作業から開放される。
とはいえ、この簡単なコミュニケーションも、充分にクリノッペへのゴールド消費を起こさせるものなのだ。
他ユーザー(のアバター)と交流する
これを見ていただきたい。先ほど述べた「つつかれ帳」である。
この「つつかれ帳」にはなんとクリノッペの姿だけでなく、その飼い主であるアバターまでも表示されるようになっている(これを決めたGREEの中の人はひどく優秀だ)。
そして、ここに表示されるクリノッペの飼い主たるアバターは、みな揃いも揃ってオシャレなのだ。
これを見た私は、こんな気持ちになった。
私のクリノッペの隣にこんなモサイ女が居たら、私のクリノッペに不憫な思いをさせるのではないかしら?!
そうして私は、アバターにさえもゴールドを払って整形・髪型変更・洋服購入・背景購入を行ったのだった。
解説
私はこの段になってクリノッペの脅威を実感した。アバターを自分の分身とは到底思えない人間に、アバターに金をかけさせる仕組みが作られていたからである。
私はこのアバター女を自分の分身とは思えないが、クリノッペの隣に居座る女にはキレイな姿をしていてもらわなければ困ると思ったのだ。
先ほども述べたがこの仕組みを作ったGREEの中の人は優秀だ。
先日GREEの副社長から、「足跡は負荷が高い」という話を伺った。
その言葉からは、足跡機能を付ければユーザーが付いてくることは重々分かっているのに、負荷が高くて足跡機能が付けられないゆえに、mixiにどんどん水を空けられていった時代の痛恨が偲ばれた。
そんな足跡機能(つっつき)がここでは有効に機能している。これが他のクリノッペおよびその隣のアバターにゴールドを払ってアイテムを買い与える源泉になっている。
総括
以上でクリノッペのすごさが少し分かっていただけましたでしょうか。クリノッペがもたらすゴールドの消費ポイントは
- クリノッペ―利用者
- クリノッペ―他のクリノッペ
- クリノッペの親―他のクリノッペの親
大抵のアバターサービスの場合
- アバター―他のアバター
GREEがすごい理由
そしてクリノッペのすごさは直接GREEのすごさに結びつく。GREEにあってmixiやモバゲーにないもの?
それはクリノッペである(あるいは釣り★スタである)。
mixiが中国に、モバゲーがアメリカに(あるいは総合ポータル化に)リソースを注ぐ中、
六本木の一室でチマチマと面白いゲームを作り続けるGREEはすごい。
クリノッペのすごさのもう1つは30代・40代の女性を抑えていること。
可処分所得が高いこの層をクリノッペはGREEに連れてきた。
それに対するモバゲーの戦略は「女性向け☆モバゲータウンL」である。
個人的には地上軍の勝利と見ている。
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