2009年3月15日日曜日

モバゲーが本気でTwitter的サービスを開始

その名は「おたけび」
「おたけび」とは何か
日々思ったことや今何をしているかなどをリアルタイムに投稿する機能
モバゲーはなぜ本気か
収益源になるから。

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以下では、モバゲーの「おたけび」が具体的にどのようなサービスなのかについて、実際のタイムラインの様子を見ることと、重要な要素を考察するという2つの観点から迫っていき、その後その意義について考えます。

■実際の「おたけび」の様子を見てみる


自分の発した「おたけび」は以下の3つの場所に表示される。
  1. みんなのおたけび
  2. おたけびタイムライン
  3. プロフ上
以下で詳しくみていきます。

1.みんなのおたけび

モバゲー1200万ユーザのおたけびの集積所。

発言をした人のリンクを押すと、その人のプロフページに飛ぶ。
PCからも見られる
感想
自分の発言が捕獲できない程には発言が流れるスピードは速い。
実際に携帯からタイムラインを見ると、発言よりアバターと人の名前ばかりに目が行く。
改めてみんなアバター着飾ってるんだなあ(ゴールド払ってるんだなあ)と思う。
(うさのアバターは背景が灰色だから恥ずかしいお)

2.おたけびタイムライン

Q.タイムラインとは何ですか。

A.「タイムライン」とは、自分と友達のおたけびの一覧です。
時系列順で見ることが出来ます。削除したり投稿から3日間経過した投稿は表示されません。


うさぎ様の友達がおたけんでないもので、自分の発言しかなくて申し訳ありません。
実際は上の図に友達の発言も表示されます。
これは1と3に比べて、それほど重要ではないと思われる。

3.自分のプロフ上

プロフのトップ、アバターの上に表示される(発言するたびに更新される)。

感想
これには驚いた。何せ、あのアバターの上に発言が表示されているのだ。
モバゲーユーザがどれだけアバターに自己愛(と仮想通貨)を注いで大事にし、DeNAがそれでどれだけ儲けているかなんてことはまあどうでもよくて、しかしとにかくその大事な大事なアバターより上の位置に「おたけび」は表示されるのです。モバゲーが本気で取り組んでる様が伺えるといえるのではありませんか。

■更に進んで考察する


モバゲーの「おたけび」が持つ以下の3つの重要な要素から考察してみます。
  1. うまい返信法がない
  2. 50字制限の妙
  3. 検索がある

うまい返信法がない

Q.おたけびに対する返信はどうすればいいですか?

A.特に決まりはありませんが、伝言板やミニメを使ってお返事してあげてください。

なんじゃそりゃ!
以前、モバゲーの実況掲示板には、Twitterにおける@とか2ちゃんにおける>>がないというのを書きましたが、ここでも返信機能を実装する気はないようです。
考察
今までに出てきた以下の2点により、どうやらこれは蓄積型「ミニブログ」ではなく、流動型「言いっ放し」とでも呼ぶべきものではないかと思います。
  • 返信機能がない
  • 3日で発言が消える
たぶん、モバゲーとしては返信機能はさほど必要ないのかもしれない。
その場で話が盛り上がったってPVが増えるだけ。儲からない。

50字制限の妙

Q.おたけびの最大文字数は?

A.全角50文字以内までです。
前も言ったけどこれはうまい。携帯から140字も読めるわけがない。30字・40字制限でもいいくらい。
考察
モバゲーが今年「実況掲示板β」を開始した時
  • 50字制限
  • 実際のタイムラインの見た目
から、「Twittterに似ている」というのを申し上げた。
モバゲーの実況板を見た瞬間、本当に直感的に「まるでTwitterのようだ!!!!!」と思ったからです。中毒になったせいで何でもかんでもTwitterに見えていた訳ではありません。

それが今回引き継がれている。というか、やっぱりあの「実況」は「おたけび」の前フリにすぎなかったのです。

検索がある

返信機能はないが、検索はバッチリ用意されている。
考察
「おたけび検索」が登場したことによって、新しいユーザ間のコミュニケーションが生まれることが考えられる。
今までは、「同じゲームをやったユーザ間」「同じコミュニティに属しているユーザ間」でしかコミュニケーションは生まれなかった。
それがこの「おたけび」及び「おたけび検索」によって、「同じ時刻に「おはよう」と言った人同士のコミュニケーション」が生じうるのだ。


■モバゲーが本気で「おたけび」をやる理由


モバゲーの収益源になるから。間接的に。

・ユーザ間の接点の増大

「おたけび」は日記更新より小説書くよりゲームするよりミニメ出すより、何より手軽に書き込める。
そしてご存知の通り、モバゲーは新たなユーザ間のコミュニケーション機会(接点)が増えれば増える程儲かるようになっている。
他人と触れ合うことでアバターアイテムへの購買動機が生まれるからだ。

そして、「おたけび」は単にコミュニケーション機会が1つ増えた以上の意味がある。

・1200万人という衆目の前に自分のアバターが晒される
これは今までなかったことだ。

個人的な経験を申し上げる。
今まではゲームで対戦した時に
けっ、アバターだ?ゲームが強ければそれでいいんだよ、アバターに金を払うバカども!
と思っていた。
小説は読まないし、コミュニティにも属していないので、他人とのコミュニケーション機会は基本ゲームで、だからアバターに、初期登録で貰える500G以上の服と顔を与えていなかった。
だが今回、衆目の前に晒されたことによって、
ぎょっ!うさのアバターは背景が灰色で恥ずかしい子!
今までうさのアバター実はちょっとかわいいと思ってたけど、井の中の蛙だったのか!
と思ってゴールドが欲しくて奔走している。
アバターの背景が灰色で恥ずかしい思いをするのは自分でしかない。つまり、私は遂に自分のアバターを分身と考えたことになる。
広い世界に放り出されて自己愛が発動したのかもしれない。
しかし友達を紹介しても300Gしか手に入らないとはモバゲー鬼だな。

というわけで、個人の細分化された日常から生じるコミュニケーションを金に換えようとしているモバゲー。さすがに優秀。恐るべし。

ただ、最後に1つ。「おたけび」に飛びつくようなコアユーザは既に限界までアバターを着飾っているので金を落とすことができないというのは大きな問題かと。こうなるとGREEのクリノッペがすごい理由というのがまたよく分かります。金の落とし所としてアバターだけでなくペットを用意しているからです(しかも最近気付いたのだが、アバターの服よりクリノッペの服は割高に設定されている)。

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※3月15日7:30-8:00にかけて「自分と友達の発言だけのタイムラインがないのが特徴」などという全くの嘘の情報を載せておりました。完全に全くの嘘でした。大変申し訳ありませんでした。今後は情報の精査・確認の上、ブログをアップしていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。


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